第6章 初出勤
学校に着き、職員室で説明を受ける武田。
立花と同じ学校なだけでもすごい偶然なのに
驚くことに担当のクラスも立花のいるクラスであった。
知っている生徒がいるからか、礼儀正しい立花だからこそなのか、武田の不安は少し軽くなった。
「なんだか上手くやれそうな気がするっ!」
やる気に満ち溢れた武田はじっとなんかしていることが出来ず、始業まで少し時間があったので久しぶりの学校を回ることした。
学校のいろいろなところから「課題やったー?」とか「今日の一限目何ー?」なんて声が聞こえてくる。
あぁ、そうそう。高校ってこんな感じだったなぁなんて思いながら歩いていると目の前に立花がロングの髪の女の子と一緒にいた。
「立花君っ♪」
「あ、武田さんっ」
「隣の子は彼女ー?wすごく美人じゃないっ!」
「いえ、彼女なんかじゃないですよっ;;」
立花は大きく手を振り否定した。
そんなに否定したらさすがに傷つくでしょ;
と思い、武田は話を変えた。
「そっか;ごめんね変なこと言って;
あ、そうだこれ見て!私、立花君のクラス担当になったんだよー☆」
そう言って武田は名簿を見せた。
「そうなんですか!なんか朝からすごい偶然ですね!」
「何ー?この人、教育実習生?」
立花の横にぴったりくっついた髪の長い女の子は少し拗ねたように言った。