第3章 逆らいの条件
先輩の胸が背中にピッタリとつく。
「先輩、重い……」
さすがに先輩の身長に筋肉までついていれば、私じゃ耐えられなかった。
そのまま先輩はひっくり返って私の下敷きになる。
「悪いな。なんか、ちょっとでもくっついてたくてな」
ギュッと抱きしめらる。
その手は抱きしめながらも私の胸へと向かっていく。
「先輩のエッチ……」
今ぐらい普通に抱きしめてくれててもいいじゃん…。
でも触れられるだけ幸せだけど。
「裸の女がいて胸触んねえって男じゃねえべ?」
「じゃあ先輩は裸の女の人がいたら誰でも触るんだ?」
「違ぇわボケ!それを言うならお前は……」
急に黙り込んだ先輩。
その先は聞かなくてもわかってる。
「すまん…」
「…いえ、大丈夫です」
悪いのは私なのになんで気を使わせているんだろう。
けど……あの日がなければ岩泉先輩を好きになることもなかったのも、本当の事だから。
「やっぱり俺は、心さえ俺のもんなら…なんとか我慢できるから」
「うん……」
「もしこの後、大丈夫だったら…俺ら付き合ってるって堂々と言おう。もし駄目だったら、誰かとヤったら全部俺に言え」
ギュッと抱きしめる力が強くなって、あったかくなった。
「だから泣くな」
「はい……ぐすっ…」
先輩は首の後ろにそっとシルシを付けてくれた。
岩泉先輩の物だって証を……。
その後もう一度シて、私達は出し切ったようにして果てた。