第3章 逆らいの条件
放課後。
とりあえずバレー部に行ってみることにした。
どうせ今悩んでも私はバレー部に入るんだろうし……。
にしても及川先輩。
……どうしよう。
すれ違った先生に聞いて、バレー部の練習場所に向かった。
ガラガラッ。
扉を開くと、既に練習中だった。
どうやらちゃんとバレー部の練習場所に来たみたいだ。
……にしても、大きいなぁ。
まるで巨人の巣窟みたい。
しかも怖い人が……
「あ?」
ビクッ!ひぃ〜、ごめんなさいぃ!
目があった瞬間固まってしまって、心の中でとにかく謝る。
坊主頭の怖そうな人が、今も私を睨んでいた。
本当にここ、バレー部ですか……?
爽やかに笑う及川先輩の事を思い出すと、ここが全くの別物であることを思い知らされた。
まさか落ちた強豪だからヤンキーも居座り始めたとか……
「おい田中!睨むな」
「やっ別に睨んでませんよ!大地さんあの子誰っすか?潔子さんじゃないのに……美しい!」
えっ……!
どうやら、怖いのは見た目だけだったみたいだけど。
優しそうな男の先輩、大地さんに注意された田中さん?は焦って弁解をしていた。
潔子さん……?知らない人だけど、私に向かって美しいって言った?
いや、まさか…。