第1章 1話
及川side
「いってきまーす。」
6:25。望美が家を出た。
それに合わせて俺も望美の家から出た。
それはいいんだが本当に見えてないようだ。
「ねぇ望美??」
反応なし。
「のーぞーみ」
反応なし。
「のーっぞみ」
………このまで無反応だと流石に傷つく。
え、なに。事故った時俺だけ死んだとか?
だったらなんで時間が戻ってるんだって話だけどね。
それからも俺はめげずに望美の名前を呼び続けた。
やっぱり返事が帰ってくることなく、そのまま学校についてしまった。
望美は常に鍵当番だからいつも一番最初に来ているということは知ってたがこんなに早く来てるとはお話もわなかった。
…6:40なう。
それから望美はネットを張り、ボールの空気を点検してタオルを用意した。
慣れてるからか、仕事がすごくはやい。
流石3年間やってるだけある。
そうしてるうちに部員が1人、また1人と入ってきた。
1人来る度に望美が笑顔で「おはよう」と声をかけていた。
途端に、笑顔で話しかけてもらってる皆が羨ましくなってきた。
ーーーそれは、俺が体育館の端っこで拗ねていた時に起こった。
岩ちゃんが「はよー」とダルそうに挨拶をした、その後ろに
いたんだよ。俺が。