第6章 6章
多少びっくりしたけど
『ありがと』
受け取って一口食べたら
普通に美味しくて
『すごい美味しいね!』
及「んー、そうだね
ねぇねぇ、奈々ちゃんの
アイス一口頂戴?」
『え』
考えるより言葉が先に出た
そして許可を出してないのに
勝手に徹先輩に食べられる
わたしの苺アイス
でもアイスを取られて怒ってるとかは
全くなく
それより驚きと
得体の知れないドキドキがあった
及「おいしいね!
奈々ちゃん、俺のも食べなよ
はい、あーん」
そういいながら徹先輩は
自分のアイスをスプーンにのせて
わたしの前にもってくる
まってよ
徹先輩はわたしにどれだけ
初体験をさせれば気が済むの!!
なかなか口を開けられずにいると
及「あー、やっぱり
俺の食べたやつは食べたくないよね」
顔は笑ってるけど
なんか少しだけ寂しそうにみえて
徹先輩にそんな顔をさせてる
自分がなんとなく不甲斐なくて
意を決して
徹先輩のアイスを食べた
正直緊張しすぎて味なんて分かんなかったし
恥ずかしすぎて顔も見れなかった
『お、おいしいね』
これを言うのがいまのわたしの精一杯