第19章 鍵
そして、ミナを抱えながら大倉は
呆れたように言った
大倉「・・・無理矢理だね」
眠っているミナを悲しそうに見つめる
渋谷「まぁ、仕方なくや・・・」
その言葉に後ろに立っていたミヨが
心配そうにミナの傍に近寄った
ミヨ「・・・な、なにをしたの?」
震える声で渋谷を見て言った
その言葉に渋谷は答えるようにミヨに言う
渋谷「横の言葉通りに
寝て貰っただけや・・・」
そう伝えるとミナにも優しく瞳を光らせ
彼女までも意識を落としてしまった
男二人は、女を抱えて部屋に運んでいく
大倉「本当に強引だね・・・」
大倉の言葉に渋谷は笑いながら言った
渋谷「なんか、
今夜はほんまに嫌な予感がすんねん」
その言葉に大倉は寂しそうに瞳を揺らし
大倉「誰も
傷つかない事はないのかな・・・・」
その言葉に渋谷は寂しそうに俯きながら言った
渋谷「傷を恐れる奴には未来はない・・・・」
その言葉に大倉は寂しい表情で聞いていた
渋谷はその姿に微笑むと
渋谷「さっさと寝かせて
横の所に戻るぞ・・・」
大倉は力強く頷いた
待っている三人はいつまでも月を見ていた
村上「明日には月が消えるんかな?」
村上はボソッと言った
横山「・・・・・・」
横山は静かに月を見ていた
今の自分の力と同じ月を・・・
丸山「月は消えたりしないよ」
丸山は、力強く言った
その丸山を楽しそうに見て村上は言った
村上「俺ら、今夜は何かロマンチストやな」
その言葉に三人は笑っていた
そこに、渋谷と大倉が足早に近寄ってきた
渋谷「男どもが何してるんや?」
ニヤニヤ笑う渋谷に横山が冷たく言う
横山「たんなる時間つぶしや・・・」
渋谷「さよか・・・」
その二人の後ろに立っていた大倉が言った
大倉「・・・亮ちゃんとヤスは?」
心配そうに周りを見ながら言う