第18章 1/2
ミヨは本当に雪が大好きだった
雪のお腹の赤ちゃんを助けてあげたいと
思っていたから
ここで、部屋に帰る事も出来なかった
渋谷「ほんなら、俺が部屋に送るわ」
動かないミヨを見て渋谷は
そう告げると歩き出したのだ
ミヨは素直に渋谷の後ろに着いて歩いた
その二人の後ろから大声で
村上「俺らは、ここで待ってるな!」
村上はそう渋谷に告げたのだ
そして残った丸山は言った
丸山「彼女に聞かれたくないんだね」
その言葉に横山は静かに笑った
村上「・・・・て、今回の事件は
彼女が関係してるんか?
やっぱり」
その言葉に反応するように
横山「1/2やな」
丸山「そうだね・・・1/2だよね・・・」
その言葉に反応するように村上も答えた
村上「1/2か・・・
どっちが当たりなんやろうな?」
その言葉に丸山は横山を見ながら言う
丸山「もう、答えは出てるんじゃ?」
その言葉に横山は首を振ると
横山「答えを間違えたら
偉い事になるから、気を付けなアカン」
丸山「・・・・そっか」
寂しそうに俯いた
その丸山の肩を優しく叩きながら
村上「さて、すばるが帰って来るまで
何して待ってようか?」
そう笑いながら言ったので
横山も丸山も微笑んだ
廊下で男三人は一人の男を待つために
窓のカーテンを開けて
空に消えそうな細い月を眺めていた