第71章 終焉
雪は静かに皆を見ながら言った
雪「ミヨさんを愛してたから
ミヨさんの為なら
命も惜しくなかったんだと思います」
そう言いながら雪は
お腹の子供を思いながら撫で続けた
それは、家族への愛だと伝えるように
その言葉を聞きながら渋谷は呟いた
渋谷「愛してたからか・・・」
その言葉を聞いて横山が寂しそうに語った
横山「あの、死神は
カードの向きを間違えたんかもな」
横山の言葉を聞いて
村上が驚きなが言った
村上「間違えたって?」
すると横山は少し笑いながら
横山「もう一人の心に興味を持っていたら
死神の道は変わってたやろなって・・・」
そう言うと手にしていた本を
また読み始めたのだ
丸山は唇を震わしながら
丸山「選択の違いで、こんな事に・・・」
辛そうな丸山を見て
渋谷は冷たく言ったのだ
渋谷「俺らはこれを
乗り越えなアカンかっただけや
それだけや」
その言葉に誰もが黙った
そして静かな空気が流れた中
錦戸が横山に尋ねた
錦戸「アイツはまた、来るかな?」
錦戸の疑問に横山はあっさりと答えた
横山「来るやろな・・・」
その答えに安田が驚きながら
安田「えっ、嘘やん
また戦わなアカンの?」
そんな安田を見ながら
横山は読んでいた本をとじると
横山「まぁ・・・・
何度来ても返り討ちにしてやるだけや」
そう言うと座っている
ソファーの背に深くもたれた
そんな横山を見て
大倉は静かに微笑みながら
大倉「そうだよね・・・
神のご加護がありますように・・・」
そう言うと雪のお腹を優しく撫でた
未来の幸せを願って・・・・
そして誰もが
まだ生まれていない未来を思って
微笑んでいたのだった
闇にしか住めない自分たちの
小さい光に
自分たちの幸せを願って・・・・