第59章 怒り
廊下は静まりかえっていた
誰も何も言わず動けずにいたのだ
人質を取られた形になっている
現状を思うと誰の心も暗くなっていたのだ
そんな仲間を横山は見て
仲間の方を向き冷たく言葉を吐いた
横山「もうここに居っても
何にもならんで
意味ないから部屋に戻んで」
そう言うと歩き始めた
仲間はその言葉に目を覚ましたように
動きだしたのだ
横山に追いつくように歩きながら
自分の疑問を横山にぶつけ始めようと
仲間から抜け出して
錦戸が横山の横に並んだ
錦戸「なぁ、今のはやっぱ死神か?」
横に並んだ錦戸をチラッと見ながら言った
横山「おん、死神で
今回のターゲットや」
答えに錦戸は考え込む顔をすると
安田が間を割って入ってきると
横山に質問したのだ
安田「なぁ、あれは雪じゃないんかぁ?」
横山は少しため息をつくと
横山「身体は雪やろうなぁ
アイツが言ってたから
でも中身は敵や」
その言葉に安田は頷き一歩下って
歩き出すと
待っていましたかのように
丸山が入って来て
丸山「じゃ・・・・
精神が絵の中に
閉じ込められてるってことだよね」
丸山の言葉に横山が視線を合わせると
横山「雪の居場所を見つけたんやな?」
その言葉に丸山は頷き
辛そうに言ったのだ
丸山「たぶん
食堂のマリアの絵の中に・・・」
言った事を確認するように
安田の顔を見たのだ
横山「食堂の所に囚われたか・・・」
横山は考えるように呟くと
するとみんなの一番後ろにいた
大倉が悲しそうな声で言った
大倉「ちゃんと助ける方法はあるよね」
それを聞くと横山は突然、足を止めたのだ
その行動に仲間は驚いたように
自分たちも止まってしまった
動かない横山を誰もが待っていた
しかし横山は唇を触りながら
考え込んでしまったのだ
村上「横?」
考え続ける事に
心配になった村上が声を掛けた時だった
横山「・・・方法は絶対にあると思う」
その言葉に村上が嬉しそうに言った
村上「なら、早く言えや
ないかと心配したやんけ」
笑いながら仲間を明るくする村上の横で
丸山は辛そうに俯いた