第57章 絵
安田と丸山は食堂で
ゲストへの食事を二人は用意をする為に
働いていたのだ
しかし、安田は働かずに
食堂の絵を黙って見つめていたのだ
そんな安田を見ながら
丸山は皿をテーブルに並べながら
言った
丸山「ヤス、手伝ってくれないと
遅くなってしまうよ」
丸山はそう言いながら
次の皿を取りに奥のキッチンに戻って行く
安田は丸山の背中を追いかけながら
聞いてみたのだ
安田「なぁ、あの絵ってさ
ちょっと変ちゃうんかなぁ?」
安田の言葉を聞いた丸山は
動かしていた手を止めた
丸山「ヤス、それってどうい事なの?」
丸山の真剣な顔に安田は顎を動かして
絵の方に誘導したのだ
二人で絵の前に立ったが
丸山は安田の言っている意味が分からなかった
いつもと変わらない絵に見えていた
そう思って丸山は安田を見ると
安田は絵の方に視線を向けながら
安田「この絵のマリアの顔が
なんか悲しそうに感じん?」
安田はそう言うと
丸山の方に顔を向きなおしたのだ
丸山「悲しそう?」
丸山はもう一度絵をじっくりと見てみると
安田の言う通りに
確かに悲しそうに感じるかも
知れないと思った
丸山「なぜなんだろ・・・・」
丸山は不思議そうに絵を見た
すると安田も絵を見ながら
安田「なぁ
横ちょから言われてたんは
子供を抱いたマリアやったやんな?」
確認のように聞くと丸山が頷きながら
丸山「横山くんの読みでは
絵の中に子供が隠されるだからね・・・」
そう言って安田に優しく微笑むと
安田も丸山を見つめ
安田「ここのマリアは
子供と一緒ちゃうよな・・・・」
今まで、安田は絵には興味がなかったのだ