第51章 喪失 14【狙い】
渋谷は一人で仲間から離れて
ある事を調べるために
廊下を歩いていた
調べる内容は
仲間には言えなかった
それは・・・
自分の発言が今の結果になってと
思っていたからだった
渋谷は考えながら歩いていた
ゲストに最初に会った時からの事を
死をまとわりつかせていた
自分の意思を持っていなかった
あと、
あの寂しい瞳を見ていたくなかったのだ
自分と同じ瞳を・・・・
しかし
相手を思う気持ちは誰よりも強かった
それを知らずに
彼女を暴走させたのではないかと
感じていたのだった
渋谷はミヨの部屋の前で立ち止まると
小さくため息をつき
ノックをした
渋谷「・・・・・・」
扉の前でミヨの返事を待っていたが
いくら待っても返事がなかった
渋谷は静かに扉を開けると
鍵はかかっておらずに開いた
ガランとした部屋が渋谷の目に映った
すると突然
鼻に死臭を感じ取った
鼻を抑えながら渋谷は部屋の中を
見回しながら歩くと
マリアの絵の下で倒れている
ミナに気が付いたのだ
ミナは小さく息をいていたが
意識なく倒れていた
渋谷「どないしたんや?」
渋谷は声をかけ
優しく揺り動かしたが
ミヨは意識を失ったままだった
そんなミヨを見ながら
渋谷「また・・・
一段と臭うようになったな・・・」
そう言葉をだすと
ミヨを抱きかかえベッドに寝かせた
意識なく眠っているミヨを見つめると
渋谷「もし、向こうの世界で
何かを得られるなら
俺を連れてって欲しいわ・・・・」
そう眠っているミヨに
寂しそうに告げたのだった