第43章 血
するとボスは静かに横山に言ったのだ
『死神にも・・・・
慈悲はあるからな・・・・』
その言葉に横山が静かにボスを見つめた
ボスは横山を気にする事なく
言葉を続けたのだ
『俺の考えでは
相手に同情したのかもな・・・・』
ボスの話を深紅の瞳を揺らしながら
横山は聞いていた
『俺らも喜んで
大鎌を振るっているわけじゃないんでな』
その言葉に横山が微笑んだ
横山「そうか・・・
辛い仕事やな
でも、やっと繋がったよ・・・」
横山は思った
自分たちも生き残る為に血を啜っている
何の罪悪感もなくしているわけではない
生き残るためだった
でも、この死神たちもだと・・・・
ボスは少しだけ間をおいてから
冷たく言った
『しかし、死神のルールを破った奴を
ほっとくわけにはいかないんでな・・・・』
その言葉に横山は
待っていたかと言うように
横山「やっぱ
ここの世界では捕まえられんから
向こうに帰って捕まえるわ
他の仲間とな」
横山の言葉に
ボスは見据えるように言う
『わかった・・・』
横山は躊躇なくボスに言ったのだ
横山「帰り道は
その奥の部屋からの隠し部屋の鏡からやろ?」
それを聞いたボスは
カタカタと骨を鳴らして笑ったのだ
『本当に面白い吸血鬼だ
そこまで知っているとはな・・・』
その言葉に横山は照れ臭そうに笑ったのだ
横山「その言葉は
賞賛と受け取っとくわ」
そう言いながら
自分の伸びた爪を見ていた