第43章 血
横山は仲間を部屋に置いて
ある場所に向かうために
一人で廊下を歩いていたのだ
左右逆の屋敷
死神の屋敷の廊下を歩きながら
今までの出来事を整理していた
二人は一人の命を削りながら生きている
それを死神の一人が契約したからだろう
しかし横山には
納得いかない事があった
そんな事をして
何のメリットがあるのだろと
それは・・・・
命を二つ手に入れたいからか?
二人を生かしていて
その死神に何の得があるのだろうか?
横山は一人考えながら歩いていたのだ
そして目的の場所に着いた
死神が立っているフロントで
平気な顔をして言ったのだ
横山「ボスに会いたいやけど」
その言葉に
フロントの死神の頭がゆっくりと動き
横山を観察しているようだった
『・・・・・・・・』
その様子を見て
言葉を付け加えたのだ
横山「吸血鬼が
話に来たって言ってくれたらええで」
横山の態度と言葉に
フロントの死神はゆっくりと振り向くと
奥の部屋に入って行ったのだ
待っている間に横山は
ゲストの事を考えていたのだ
自分たちに現れたゲストは
邪魔をするなと言った
その邪魔とは何だろう?
死神が命を取る事をか?
しかし、雪への嫉妬が凄すぎる
あの嫉妬は何なんだろうか?
雪の言っている
大倉に愛されてる事か?
大倉への嫉妬か?
横山は何か違うと感じていたのだ
そんな事ではなく
もっと深い部分で
何かある気がしていたのだ
自分の伸びた爪を見ながら
考えていると
奥からボスがゆっくりと出てきた
『・・・・・・・』
ボスは横山の前に来ると頭に被っていた
フードを取って骸骨の顔を見せた
そう自分の姿を安心して
さらけ出したのだ