第41章 屋敷
横山は考えた
彼女に一番届く言葉を選んだ
横山「まぁ
愛にも色々あるよな・・・・」
そう言うと照れ臭そうに
頭をかいたのだ
その言葉に雪は黙って俯いた
全く理解できない錦戸が
我慢できずに二人の間に入るように言った
錦戸「ちょ、どういう事なん?
分かるように言ってや」
その言葉で横山は
錦戸と安田の方に身体を向き話しだした
横山「あの双子は
一人の命を二人で使ってる・・・・」
安田「なっ!!!!!!!!」
驚く安田を見ながら
横山は更に無情に告げた
横山「そして命を落とす為に
ここにやって来た・・・・」
その悲しい事実に誰も何も言えずにいた
そんな仲間に横山は更に言った
横山「俺の考えが正しかったら
この屋敷は命を落とす場所なんや・・・
命の処理所や・・・・」
その言いながら部屋を静かに見渡し
悲しそうに小さく笑ったのだ
錦戸「命の処理所・・・・」
錦戸はこの真実を受け止められずにいた
横山「やから
ここの世界では死神が
この屋敷で働いてる」
安田「俺たちの所は・・・」
安田も驚いていた
頭の中がパンクしそうだった
屋敷の秘密が大きすぎて
横山「俺らが客を長年喰ってもバレへん・・・
俺らは処理させられてたんやろな」
その言葉に錦戸は言った
錦戸「じゃぁ
俺たちは屋敷に使われてるん?」
その言葉を聞いて
横山は笑って答えた
横山「その言葉は好きちゃうな
俺らが屋敷を利用してるやろ?」
その言葉に錦戸も苦笑いした
そして横山は静かに付け加えたのだ
横山「俺らは誇り高き吸血鬼
何があっても誇りは失うな」
その言葉に
安田と錦戸の瞳が深紅になっていた
その姿を雪は遠巻きに見ていた
雪はゲストの心情と
この事実を知った大倉の気持ちを思うと
自分の胸が悲しみ染まっていっていたのだ