第34章 メッセージ
渋谷と村上は二人で
食堂で食事の用意をしていた
村上はゲストに出す料理に火を入れながら
皿を並べている渋谷に聞いてみた
村上「なぁ、ほんまに
アイツらは尻尾だすんか?」
村上の不安を打ち消すかのように
渋谷は自分なりの言葉を冷たく言う
渋谷「そんなん俺は知らん・・
相手次第やろ?
俺らは待つだけや」
冷たい言葉に
村上はため息をつきながら
村上「そやけど・・・・
尻尾ださんとさ
意味ないないやんかぁ?」
落ち込んでいる村上を見ながら
渋谷は小さく笑いながら言った
渋谷「暗い顔をしてたら
チャンスも逃すで」
そう言うと
自分の仕事を淡々と
こなしていたのだ
渋谷の言葉に
励まされたように村上は微笑んだ
村上「おん、そうやな
自分でつかまなな!」
少し元気になった
村上を見て渋谷も嬉しそうに
微笑んだ
村上は温めていた料理を
皿に盛りつけようとして
テーブルの方に向いた瞬間に
角で腰を打ったのだ
その音に驚いた渋谷は
笑いながら言った
渋谷「おい、大丈夫か?
テーブルをまた壊したら
横に修理させられるで」
渋谷の言葉に村上は笑いながら
村上「俺って頑張ろうと思ったら
こうやから、ホンマに・・・・・」
村上の言葉が止まった事に
渋谷は不思議に思った
渋谷「・・・・雛?」
村上は打った腰を手で触りながら
考えていた
その様子を少し離れた場所で
渋谷は見ていた
渋谷「雛、どなんしたんや?」
村上は自分の腰の
ポケットにある違和感を知った
静かにポッケトに手を入れると
ソレを取り出した
村上「これ何や?」
村上は折りたたまれた紙を見た
渋谷も驚きながら側に寄って来た
二人は一度
顔を見合わせて紙を静かに開くと
【困った時は、タロットやで】
それだけ書かれていた
村上「これ、横の字やなぁ?」
紙の内容を見ながら
渋谷「なんやこれ?」
渋谷は見て笑っていたが
村上は考え込んだ