第32章 変化
するとその様子を見ていた
渋谷が悔しそうに呟いた
渋谷「ほんま、厄介やな
記憶ないから
何も探られへんし」
すると丸山は考えるように言った
丸山「ならさ、
あえて普通にしてみない?」
その発言にみんなが丸山を見つめた
丸山は自分の考えを伝え始めた
丸山「いつものホテル経営をして
向こうが尻尾をだすのを待たない?
いつまでも隠しておけるとは
思えないでしょう?」
仲間は一瞬考え込んだ
そして村上が呟いた
村上「それって横がいつも言ってる
時期尚早か?」
丸山は静かに頷いた
丸山「時期を見失ったらダメだよね
今は待つ時じゃないかな?」
丸山の言葉に
渋谷は言葉を付け加えた
渋谷「慌てたらアカンてことやな
待ってたら、アイツらも帰って来るかやしな」
丸山は大きく頷いた
その丸山を見て
大倉は嬉しそうに
大倉「チャンスは必ずくる・・・」
その言葉に
吸血鬼たちの瞳が深紅に染まり
それぞれが動き始めるかのように
横山を寝かせたまま
無言で部屋を後にしたのだ
自分のするべき仕事に向かうために
犯人に反撃の機会を待つために
それは・・・・
自分たちのプライドを取り戻した瞬間だった