第1章 あまいもの
と出会ったのは入学式の日
でも正直、その日は存在すら知らなかった
入学式ってそんなもんだと思う
その後何週間かでクラス全員の名前と顔が一致するようになって、
と初めてゆっくり話したのは、5月の中頃だったかな
臨也の野郎と喧嘩して、イライラがおさまらなかったから一人でパフェを食いに行った
パフェをガツガツ食ってる時に来神の女生徒が数人で入ってきたときは、すげえ気まずかったな
そいつらはこっちを見て何かコソコソ話をしてた
早く店を出たくなって早食いした…
そしたら女が一人こっちに来た
それがだった
「平和島くん、だよね?あまいもの食べるんだ!」
最初はイライラした。馬鹿にされてる気がしたから
「プリンパフェだ!それおいしいよね」
「まあな」
「チョコパフェ食べたことある?」
「ねぇな」
「チョコパフェってプリン乗ってないんだけどね、80円プラスでプリン乗っけてくれるんだって
クリームの増量とかもやってるらしいよ」
「初めて知った…詳しいんだな」
「中学生の時の先輩がここでバイトしててね、いろいろ教えてくれるんだ〜」
確かそんな会話だったと思う
彼女が連れてきた他の連中は俺らを見てまだコソコソ話してた
は最初俺が思った嫌味な感じも全くなくて、優しくて、友達が多いタイプだった
それに、クラスでも一番と言われるくらい可愛かった
それに対して俺は、臨也と喧嘩ばかりで、物を破壊したり投げたりという凶暴なやつとして見られていたから友達も少なかった
クラスには一応友達と呼べる奴がいた
神羅。
神羅は小学生の頃からの友達だったが、俺から話しかけることはまずなかった
だから休み時間に一人でいる時があると、は積極的に声をかけてくれた
なんで俺なんかにって思うこともあったが、それがこいつのいいところ
誰にでも分け隔てなく接する
だからが俺と仲良く話していても、一緒に悪く言われることはなかった