第1章 アイドルなんて
《少年倶楽部、今日も張り切っていきましょー!!》
『北斗くんかっこいー!』
テレビの前でひとりニヤけている私、
葉山望美、17歳、高校3年生。
最近の一番の楽しみがこれ!少年倶楽部!
お目当てはもちろん松村北斗くん。
かっこよくて、かわいくて、ダンスが上手で、私をどんどん夢中にさせる。
『あーあ、北斗くんみたいな人この辺にいないかなー』
これが最近の口癖でみんなにも呆れられる。
北斗くんと付き合いたいなんて無謀なことは私は望んでいない。
相手は立派なアイドルだし、そもそも私のいる福岡からは遥かに遠い東京にいるんだし。