第3章 スタートダッシュ
「と言うわけで!皆さんに差し入れでございます!」
「「おぉー!!」」
「やっぱり最初はレギュラーの皆さんからですよね!」
タッパーを皆さんに差し出す
「いっただきまぁー」
「ここはやはり部長から!」
菊丸先輩が食べようとするのをやんわり阻止して部長に差し出す
どうぞといいながら蓋をあけると、丁度いい具合に染みたイワシの南蛮漬けが
綺麗に小骨も取り除いたので誰でも食べやすいと思う
少し遠慮しがちに部長が手を伸ばす
ほらほら、と急かすようにすると一口で食べてくれた
「うむ、美味しいな」
その一言でみんなが南蛮漬けに手を伸ばした
「ん~!美味しいにゃ!」
「うおー!うめぇー!」
「こっちにもあるので皆さんもどうぞ!」
レギュラー陣以外に用意した大きいタッパーを差し出す
「ん~!すごく美味しいよ!」
「ありがとぉ~勝郎」
「これ、どうやって骨取るの??」
「あ、これはね、内蔵をとるとき強めに爪を当てると骨が綺麗にとれるんだよ」
「そっか!ありがとうさなえちゃん!」
「いえいえ!あ、あのー…
朋ちゃんと、友達に、なりたいな、とか、思ってみたり…」
「へ?」
「い、いや…かな?」
「あ、ううん!嫌じゃないよ!
急でビックリしちゃった、こちらこそ!よろしくね!」
「うん!ありがとう!!」
「あ、ぼ、ぼくも!さなえさんとお友だちになりたいです!」
「もちろんだよ!よろしく勝郎!」
「ぼくも!」「俺も!」
と、次々と友達が増えて先輩も含めテニス部のみんなと友達になることができた
「あ、あのね!まだあるの!これも食べて!」
唐揚げ、エビフライ、おにぎり、はちみつレモン、ショートケーキ
「これ、全部手作りなのか?」
「もちろんですよ!皆さんに喜んでいただきたくて!」
「すげーな」
「そんなことないですよ、ただ私は皆さんに笑っていただきたくて」
恥ずかしくなって照れ笑いを浮かべてしまう
「「っ///」」((か、可愛い!))
テニス部がさなえちゃんに惚れた瞬間でした