あなたの声が聞きたくて【another story】
第7章 岩泉一【番外編】3
あっという間に美歌の斉唱と聖書の祈祷が終わっていて、いよいよ誓いの言葉へ移った。
牧師「新郎、岩泉一。貴方はこの女性と結婚し、夫婦となろうとしております。
貴方は健康なときも、そうでないときも、
この人を愛し、この人を敬い、この人を慰め
この人を助け、その命の限り、固く節操を守ることを誓いますか?」
「はい、誓います。」
岩ちゃんらしい、低くて頼もしい声。
岩ちゃんは昔から俺のヒーローだった。
俺の嫌いな虫だって岩ちゃんは素手で捕まえちゃうし、ガキ大将的なポジションにいた。
優に誘われてバレーを始めて、岩ちゃんは俺の相棒になって、いつも俺を正しい道に導いてくれた。
ねぇ岩ちゃん。
春高予選の時のアレ、本当にかっこよかったよ。
さすが俺の相棒。
けど、優を泣かしたら許さないから
1度手放した悲しみを知る岩ちゃんなら、きっといい旦那さんになるんだろうなーなんて思った。