第5章 歓迎会と言う名の宴
「まだログが溜まって無いから、出航は出来ねぇんだよ」
「へー、そうなんだ」
トラファルガーに腹を立てていたら、ペンギンさんが暴言も吐かずに教えてくれた。
「キャプテン!早く始めよーよー」
「あぁ、そうだな。
とりあえず皆、盃を持て」
ローに言われ、それぞれの盃を手にする。
「お前ぇもだ、セツナ。
フリだけでも良いから持て」
「あ、うん」
「じゃあ、こいつの仲間入りを祝して…乾杯」
静かに、落ち着いて話すロー。
その言葉を聞き漏らさないよう、真剣に聞く皆。
「「「かんぱーい‼︎」」」
カシャンッ、とグラス同士の当たる音がする。
ローは周りのタイミングに合わせ、セツナのグラスを腕ごと持ち上げる。
「これが…歓迎会?」
「いや、これはどちらかと言えば宴だな。
お前を歓迎する気が無ぇとは言わんが、飲みたかったのが大きいだろうな」
「はは…そう」
「せっかくの機会だ、お前が飲めよ」
「私は良い、遠慮する」
「あ?俺の命令が聞けねぇのか?」
「そういうことじゃないでしょ」