第12章 ハジメテ尽くし
「ううん、そんなんじゃない」
素直じゃないな、トラファルガーも。
でもそれ以上話が続かなく沈黙が続いて、気まずくなったので部屋を出た。
セツナもローも、どちらも自ら話す方では無いのだ。
治療室に足を運んでみたが、カイの姿は無かった。
「あれ…?」
疑問に思いながらも、これ以上無人の部屋に居ても仕方がないので部屋を後にする。
このままウロウロしていても埒があかないので、手っ取り早くトラファルガーに聞くことにした。
ガチャッ。
「どうかしたか?」
先程の気まずい空気が無かったかのように、話しかけてくれるトラファルガー。
「カイ…知らない?
治療室に居なかったんだけど」
「なら、あいつらが連れ出したんだろ。
今日からもう自由に動けるしな」
「そっか」
「大方、全員で飲みにでも行ったんだろ」
「飲みにって…こんな朝早くから?」
空いてるお店あるのかな?
「あいつらに常識は通じねぇよ」
充分、あなたにも通じないけど。