第9章 悪化する動悸
目的の測量室に着くまで、そう時間はかからなかった。
コンコン。
邪魔しちゃ悪いから、ノックをする。
「開いてる」
ペンギンさんの返事を待ち、ドアを開ける
「どうした?セツナ」
「ペンギンさん…」
ペンギンさんの顔をみて、少しホッとする。
すると、視界が歪んで見える…。
まるで、水で覆われているような…。
「お、おい。大丈夫か?
とりあえず座れ」
と、イスを指してくれる。
「どうかしたのか?」
「ちょっと、ご相談が…」
なぜか敬語に戻ってしまう。
「どうせ、船長関係のことだろ。
話してみろよ、聞くから」
持っていたペンを置き、耳を傾けてくれる。