第9章 悪化する動悸
「セツナ、終わったみたいだぞ。
カイのオペ」
と、その後も甲板で談笑していたらペンギンさんが教えてくれた。
「本当?」
「あぁ、行って来い」
「分かった、ありがとう」
ペンギンさんに促され、オペ室へ向かう。
…と。
「わっ…」
曲がったところで、何かにぶつかった。
「どこ見て歩いてんだ、セツナ」
「ご、ごめん。トラファルガー」
「オペなら無事終わったぞ」
「良かった…」
その一言で、ホッと胸を撫で下ろす。
「思った通り、頭にコレが埋め込まれてた」
2本指で掴んだソレを見せてくれる。
「何?それ」
なんか、黒くて小さい物…。
「チップだ。
これから微量だが、超音波が発せられてやがる」
「そっか…じゃあ元通り?」
「そういうことだ。
明日には目を覚ますと思うがな」
「そうしたら、普通に過ごせるの?」
「あぁ、あいつにも雑用全般をやって貰う」