第7章 言ったろ、どんなことでも受け入れるって
目の前の男の顔を思い出すのに、数秒とかからなかった。
「海軍中将、頼み屋のシド…」
「正解だ、殺人鬼。
だが、頼み屋ってのは納得出来ねぇな」
「セツナの知り合いか?」
「シャチ、こんな奴知り合いなんかじゃない」
「お、おう…悪い」
「酷ぇな、そこは知り合いで良いだろうが」
「こいつは、私にトラファルガー暗殺を “ 依頼 ” した男…」
「はぁ?依頼ィ?
海軍が賞金首に?」
顎が外れるんじゃないかって程口を開けるシャチ。
「そう。
自らは手を下さず、必ず誰かに依頼する。
それ故に、頼み屋。
暗殺者の間では有名なの」
「そうだ、依頼だ。
俺はお前に暗殺を依頼した、そいつのな」
トラファルガーを横目でジロリと睨む。
「だが、お前は一向に現れない。
心配だからこうして様子を見に来てやれば、失敗して命拾いした上に仲間になってノコノコ暮らしてやがる」
「お前が心配するのは、自分の昇格のことだけだろ」
「あぁ、そうだ。
それが心配でならねぇ」