第6章 犬猿の仲
ペンギンさんと別れた後も、夜風に吹かれ夜の海を眺める。
「いつまでそこに居るつもりだ、風邪ひくぞ」
「見かけによらず、心配性なんだね。
トラファルガー」
後ろに居るであろう声の主に言葉を返す。
「煩ぇ…」
「悪いけど、お前に指図される覚えは無いから」
「船長は俺だ。
この船に乗った以上は、船長である俺に従って貰う」
「従う…?」
「俺の言う通りに動くことだ、それぐらい勉強しろ」
呆れたように、溜め息混じりに説明するトラファルガー。
「…うん」
「分かってから返事しろ」
「分かってるって」
「…苦労しそうだな、これは」
「本人目の前にして言うこと無いでしょ」
「本人の前で言わなきゃ自覚しねぇだろ」
「それは、そうだけど…」
「ったく…お前は…」
トラファルガーが何か言おうとしたその時。
「セッちゃんー!」
「何?ベポ」
「シャチも潰れてるし、ペンギンも酔って来てるから今日はお開きだって。
良いよね?キャプテン」
上目遣いにローを見やる、あざとい熊。
「あぁ」
「じゃ、おやすみ。
また明日遊ぼ?」
「うん、そうだね。
おやすみ、ベポ」
ベポと挨拶を済ませると、トラファルガーと再び2人きりになる。