第20章 リコリス・D・アン
センゴク「・・・ロジャーが海賊王になった時、奴は忽然と姿を消した。」
世界中、海軍は探し回ったが見つかる事はなかった。
センゴク「ある日、奴は現れた。・・・そう、ロジャーの死んだあの日。」
ローグタウンに現れたリコリス・D・アン。
アン「終わらない・・・!私は貴方達になんて捕まってやらない!」
そうして、彼女は笑ったのだ。
アン「見つけたの!大事なもの。貴方達の恐れる物。」
そこで出したのは数冊の本。
アン「見つけなさい。私を!殺しなさい!!奪ってみなさい!!政府!!!」
その映像を見た政府の人間。・・上の人間。
青ざめて懸賞金を更に上げた。
1冊は、“オハラにあったはずの本”。
空白の100年の歴史を刻んである本。
1冊は、“表社会に出てはならない本”。
古代兵器について書かれている、古い本。
1冊は、医学書。
リコリス・D・アン。誰も追いつけないと言われたその頭脳。
その本人が書いた、世界でただ1つの本。
そうして、彼女は笑う。
アン「私を見つけられたら、私の世界で一番大事な物を教えてあげるわ。」
眼に涙を溜めながら、それでもアンは笑う。
アン「探して見なさい・・・ワンピースを。私を!!」
センゴク「・・・そうして、リコリス・D・アンは再び姿を消した。」
「ねぇ。」
そこでようやく口を開いたメアリー。
メアリー「“見つかってない”でしょう?」
センゴク「・・・!」
その笑顔は、あの時のアンとそっくりだった。
メアリー「誰も、その本を見つけられなかった。リコリス・D・アンの大事な物を見つけられなかった。」
将校達はメアリーに武器を構える。
しかし、持つ手は震えていた。
メアリー「“子供の可能性もある”そう探してみたもののDNA鑑定が出来ない。何故ならアンは何も痕跡を残さなかったから。」
八方塞がりのまま、時は流れた。
メアリー「そして、今。」