第17章 旅立ち
「・・・へぇ、貴方にも子供と呼べる子がいたのねぇ。ゼフさん。」
ゼフ「お前さんもいい年だ。子供なんぞはいねぇのか?」
「いるわけないでしょ。弟なら3人いるけど。」
ゼフ「まさかお前も海に出るとはな・・・メアリー。」
メアリー「血は、争えないみたい。」
ゼフ「みてぇだな・・・。」
メアリー「ねぇゼフさん。金髪のカレがいないみたいだけど?」
ゼフ「ん?あぁ・・・グランドラインに入った。夢のために。」
メアリー「そ。夢って大事だものね。」
メアリーの足元にはいつも通りアル。
静かに眠っている。
メアリー「良かったね、ゼフ。夢が叶うかもしれないよ?」
ゼフ「まだまだ先だアホ。」
メアリー「夢を語るのも大事な事よ?」
ゼフはどかりとメアリーの正面の席に座った。
ゼフ「・・・大きくなったな。小娘。」
メアリー「ゼフさんは歳を食いましたねぇ。」
そう言って笑うメアリーに、ゼフは違う女性を重ねていた。
“ゼフったらまぁた歳喰ったわね!あの子に会ったらおじいちゃんって呼ばれるかもしれないわねぇ!”
あぁ、アン。
あれからもう20年にもなるみたいだぞ。
お前の子供は、子じゃなくなっちまってた。
お前と同じ髪を靡かせて凛としてやがる。お前みたいな完成品みてぇな顔してやがる。でも、お前より強いのは痛いほどわかる。
ゼフ「何を任された。」
メアリー「絶望と希望を。」
あぁ、お前らはやっぱり親子だよ。