第12章 ゴア王国
式典当日――――――――
サボ「今日は船出日和だ!!」
式典のために、誰も船を出していない。
「キミーーーっ!!すぐ戻りなさーーーーい!!!!」
そんな大人たちの声など、サボの心には響かない。
サボ「何よりも一番怖いのは、俺がこの国に飲まれて人間を変えられる事だ・・・!俺は戻らねぇ!!」
その様子を港で混ざって見ていた男。ドグラである。
ドグラ「サボ・・・!!」
政府の大きな船がサボの乗る漁船の目の前に現れる。
サボはいそいそと政府の船の波に呑まれないように移動する。
しかし、
ドォンッ!!!と、無慈悲にも漁船に放たれる砲撃。
サボ「クソッ・・・!!何で急に撃ってきたんだ!?」
上着ではたいて火を消そうと試みるサボ。
「相手が天竜人だから。ワガママで傲慢で、どの人間よりも腐った血を持ってる。」
ふわりとサボの船に乗り込んだ人物。
サボ「誰だ・・・!?」
金髪の髪、少し汚れた藍のワンピース。右足首には紅いアンクレットを付けているが、靴は履いていない。
顔には目元を隠している狐のお面。
サボ「お、んな・・・?」
「・・・お前はいい子だね。」
再び飛んできた砲弾。
それは漁船を壊すには事足りるもので。
サボ達の乗っていた船は、砲弾に当たって沈んだ。
ドグラ「・・・!!!」
ドグラは慌てて山へ戻る。エースやルフィ達へ伝えるために。
“サボ”の乗っていた船は沈んだ。“サボ”は死んでしまった。