第1章 存在
南の海のとある島にて―――――――
「男の人、行っちゃったね。」
「えぇ・・・そうね。・・いい?メアリーちゃん。あの人の事は、内緒よ?」
メアリー「・・・ないしょ?」
「そうよ。内緒。あのひとも言ってたでしょう?」
メアリー「・・・でも、ルー・・悲しい。」
ルージュ「・・・私は悲しくなんてないわ。だって、貴女がいるんだもの。」
そう言ってメアリーに微笑むルージュ。
彼女の名はポートガス・D・ルージュ。
金の長いウェーブの綺麗な髪を靡かせ、海を見つめている。
ルージュに抱えられている子供。歳は2歳と少しである。
名前は、メアリー。
青紫色の綺麗な髪を持ち、緑色の目を持つ少女。
先ほどのメアリーの呼び方を聞けばわかるであろう。彼女たちは実の親子ではない。けれど、実の親子のように仲が良かった。
ルージュ「それと、私の事は名前じゃなくて、ママって呼んでほしいわ。」
メアリー「・・・いい、の?」
ルージュ「勿論よ!だって、私は貴女の育て親だもの!」
メアリーはパァッと顔を明るくさせ、
メアリー「ママッ!!」
とルージュに抱き付いた。
ルージュ「・・・・。(あぁ。)」
こんなに幸せな時間が、いつまでも続きますように。