第3章 キミが好き*花巻貴大
「ごめん、もう一回…」
これが現実だと思いたくて、半ば無理矢理 花香の顔を上げさせてキスをする。
「……っ……ふぁ……っ…」
理性が飛ぶぎりぎりせ辞めたつもりだったが、既に花香は惚けた顔をしている。
「そういう顔はやばいんですけど花香さん…」
なんて言いながら自分の顔を見れたものじゃないと思う。
しばらく黙っていると思えば、花香から頼りない弱々しい声が聞こえてきた。
「……本当に、私のこと好きなの……?」
「うん。」
「うそ…いつから……え?」
俺以上に慌てている様子を見ると気が抜けてしまった。
「そんなの最初からだけど?」
2人の恋は、まだ始まったばかり。