第3章 勘違い
ニノに連れて来られたのは、もう1つの嵐の楽屋。
嵐の楽屋って2つ用意されてることが多いんだ。
結局は、1つの楽屋に皆集まるから使わないんだけどね。
腕は未だに掴んだまま、無言のニノ。
「痛いってば‼︎」
掴まれていた腕に、ニノの爪が食い込んで地味に痛い。
短く切り揃えてあるとはいえ、やっぱり痛いでしょ。
それに加えて、凄い力で握ってるから余計に痛い。
あまりの痛さと、恐怖でつい大声を出してしまった。
「ごめん…」
そう言ってパッと腕を離してくれたニノ。
「ごめんじゃないよ‼︎なんなのさ!
無理矢理連れて来るし、ずっと無言だし!
すっごい怖かった‼︎」
“ 怖かった ” 本当はそれだけが言いたかった。
なのにこんな言い方…最悪だ。
絶対嫌な気持ちにさせちゃったよなぁ…。