第8章 及川先輩と、が、☓☓☓
次々に落胆の声が上がる。
賭けは及川先輩の一人勝ちだ、仕方がないだろう。
でも私だってまだ、まだ…好きな人とキスどころか手を握ったコトもないし、てゆーか恋を経験すらしていないのにロータリーなんかイヤだ。
いや、可憐ちゃんに恋しているといえばそうなのかもしれない。
それはひどく一方的で私のような肉体を持たない彼?から返されるのは手の平や接吻ではないのだけれど。
「みなさんとはこれからも、血袋として頑張ってゆきますのでどうかひとつ勘弁してください」
私は支離滅裂なコトを云いながら及川先輩を見た。
「薔薇の花嫁だったら!」
その呼び名は恥ずかしい。
でも…、
一一嗚呼、何てキレイなんだろう。