第8章 及川先輩と、が、☓☓☓
どっちにしろ私は、一一まだ初恋すら知らない私は、体をさしださないといけない。
そりゃ、流れというか成り行きというか弾みでヤッてしまったワケだけれど、それでも私は…。
一一まだ一度も誰かを恋しいと思ったことがない。
ひどい。
いじめだ。
私が何をしたっていうんだ。
「木原ちゃん泣きそうだね。優しくするから俺達を選びなよ」
花巻先輩が私の手をとって甲を甘噛みした。
キスより痛くて、吸血より甘いその感触に目頭が熱くなる。
「木原ちゃん輪姦されるなんてイヤだよね?勿論及川さんを選ぶでしょ」
及川先輩が馴れ馴れしく私の肩を抱いてきた。
涙腺は今にも決壊しそうだ。
一一全員の眼が私を見ている。
「わかりました」
私は二人を引き離して答えた。