第7章 夜のお茶会
「可憐ちゃん、私やっていけるかな?」
好きでもない相手、それも不特定多数と関係を持ってしまうなんて絶対良くない。
でも、もし又血を吸われて誘われたら、私ははたして断りきれるだろうか。
「大丈夫さ」
後ろから部長が答える。
「悩むことなんかないさ。木原さんがしているコトは善行なんだ。別に悩まなくていい」
善行……。
確かに悪いことじゃないのかもしれない。
「それで救われる人間がいるなら木原さんは聖女だな」
部長がお茶を飲みながら笑う。
「他人事だからって、笑って!ヒドイです!」
私が可憐の鉢を抱きながら云うと、部長はこちらを向いた。
「そんなコトはないよ」
いつも笑っている部長。
それが今は笑っていなかった。
いや、顔は笑っていたけれど向けられた目は真剣で。
一一私はそれがどういう意味なんだか聞けなかった。