第34章 Trip トリック!
「あれ?四人もいる。めずらしい」
私が先輩達と待っていると石和部長がひょこりと温室の入り口から顔を出した。
よっこいしょ、と両腕にかかえているのは大量のいちごミルクだ。
「いっしょにご飯食べようって約束したのにどこ行ってたんですか!」
私が云うと石和部長はへらっと笑う。
「ごめんよー。いちごミルクが飲みたかったんだけど食堂のは売り切れちゃってて裏門の方まで買いに行ってたんだ〜」
謝りながらもかかえたいちごミルクににこにこする部長。
もう!にくめないなぁ。
「で、何で君らもいるんだい?」
石和部長は荷物棚にいちごミルクをどさどさおいて云う。
「あなたが迷子で木原が困っているみたいだからきました」
矢巾先輩が云えば渡先輩もお茶を飲みながら頷く。
「チッ」
京谷先輩は相変わらず舌打ちで返事をする。