第33章 Friend Date.
「そんなんで良いの?」
もっと何か…ひどい事を云われるんじゃないかと思っていた私はひょうしぬけだ。
ほら、エロ同人誌みたいに、エロ同人誌みたいに、ってやつですよ。
「だめ?」
「大丈夫だよ。じゃ、行こうか。あんまり遅くなると国見くんのお家の人心配するだろうし」
立ち上がって飲んでいたジュースの缶を捨てる。
二人で何だか寄りそうでも離れるでもなく並んで歩きだす。
もう空は暗くなっている。
今日は晴れだったから星がきれいだ。
にしても寒い。
脱いだ色々を又まとっているけど指先とか冷たい。
「手、つないでいい?」
国見くんが云う。
「う?」
「何個言う事聞くかって制限はなかったよね?」
見返したら視線をそらして国見くんが応える。
「は、はい。良いです」
取り敢えず嫌われてないのはよくわかったんだけど、いまいちやっぱ彼のスタンスがわからない。