第5章 Lips the so sweet.
「いや泣くなし。木原、気持ちはわかるけど自分を大切にしろ」
岩泉先輩が何だかソワソワして云う。
もしかして?
「私、松川先輩と花巻先輩は怖かったけど、岩泉先輩なら良いかなって思いました」
「あー…ありがとな」
「及川先輩も何かイヤです」
「それはワカル」
頷く岩泉先輩。
私はあらわな足を目の前の岩泉先輩の腰に巻きつけた。
「だから、だめ…ですか?」
足の腹で腰のあたりをこする。
スカートはまくれ上がりパ…下着が見えているはずだ。
今日はお気に入りのピンクのだから見られても良いか、ナンテ。
私おかしいのかな?
私だって年頃の女子だ。
そーゆー事に興味ナイ訳じゃない。
「木原、もう一回云うわ。『帰れ』」
云う岩泉先輩の目は泳いでいる。
「歩けません。だから…」
『しましょ?』云うと、はじかれたように岩泉先輩が私の体に手をかけてきた。