第31章 Birthday Date.
「松川先輩、改めてお誕生日おめでとうございます。あの…後日になっちゃいますが何かほしい物はありませんか?」
やっぱりせっかくだし何かあげたい。
偶には松川先輩にも何かしてあげたい。
せっかく、せっかく親しくしていただいているのだし。
すると松川先輩が又私を撫でてくる。
「つむぎ」
「は、はい」
返事をすると松川先輩が肩を震わせて笑う。
「な、何で笑うんですかぁ」
私が赤くなって云うと松川先輩が再び笑う。
「鈍感」
ど、どんかん???
………………ん、んんん?
ま、まさか。
わ、私?
もしかしなくても私?!
えーえーえー!
「え、あの…」
慌てる私に松川先輩の肩が震える。
わ、笑われている…。
からかわれた、だけ?
「ごめん、聞けるお願いだけしかしない約束だもんな」
頭を撫でられて何だか悔しい。
「できますっ」
ムキになって答え伸び上がって口付けた。
やわらかい唇が触れ合って。
頭がぼんやりしてしまう。
キスは好きだ。
ちゅっちゅっと口をくっつけ合っていた、…んだけど。
「ちょ、ちょっと、まって…」
手で体を突っ張って離す。
「ん?」
松川先輩が顔を覗きこんでくる。
「あ、あの…離して…」
私はぷるぷる震えながら云う。
埠頭の下から冷たい風が吹き抜けて私の足をなでる。