第30章 SweetDate.
「そうか、すげぇ良かった」
そっと柱の影に入ってキスをした。
熱い私の唇と冷たい一先輩のそれが重なって体温が馴染む。
唇を離しほぅと息をつく。
と一一間髪入れず一先輩に再び唇を奪われた。
今度は貪る様に激しく。
「母さんまだ仕事あるんで、家、来ます?」
私が口周りの唾液をハンカチで拭い、笑って云うと一先輩が頷く。
血走って私が欲しくてたまらないという眼一一。
胸がギュンギュンして私もたまらなかった。
二人でもつれそうなくらい足早にモールを出る。
でも外の寒風をあびたら何かちょっと頭が冷えた。
は、はんずかしぃー。
や、やる為に足早になっちゃって焦れまくっちゃって。
歩調をゆるめる私に一先輩も合わせてくれる。
取り敢えず家の近くのコンビニに寄った。
そこのオリジナルブランドのベリーソーダを買う。
「一先輩、何か買います?」
かごを持って雑誌コーナーでちょっとファッション誌なんか見ちゃってる私。
岩泉先輩の目が一一動く。
それを私も目だけで追う。