第26章 Amazing Date.
「ほんと…つむぎちゃん、えっち…」
ちゅうっとソーダで喉を潤し足元のカバンからそっとウェットティッシュを出して及川先輩の手とアレを拭いてしまってあげる。
「映画、終わったら…続き、シマショ」
そっと耳元で囁くと及川先輩は無言でコクコク頷いた。
偶にはこんなのも、いいよね。
そろそろ予告やらが終わり映画も流れている。
せっかくなんだから楽しんで見なきゃ。
アニメはアメリカンものらしく、爽快な改善懲悪で終わりエンドロールでは登場キャラクター達がわちゃわちゃしていて可愛かった。
ポップコーンもソーダももう空だ。
はぁ、とため息をつく。
帰りにグッズを見て帰ろう!
シールとかあったらほしい。
パンフも。
出来たら又見たいな。
今度は……………と。
「つむぎちゃん…」
ゴミをトレイにまとめた及川先輩が差し出してきた手を握る。
今の私は及川先輩の薔薇の花嫁だから。
一一それが役目。