第4章 選ばれた理由
部室につけば二人は私をベンチに座らせる。
「靴下脱いで」
云いながら既に花巻先輩は私のローファーを脱がせて後ろに放った。
松川先輩がもう片方を脱がせる。
そしてまじまじとそれを見た。
「It was but just that she should try, and that he had orders to let everyone make trial.」
松川先輩の言葉に私は笑ってしまった。
「私又履くんですか?ていうか、それ私のだからぴったり入るはずですよ」
私の言葉に松川先輩は僅かに唇をゆがめ笑い靴を置く。
「何それ?」
花巻先輩が待ちきれずに靴下に手をかけてくるので私も脱ぐ。
「シンデレラの一節です。ガラスの靴を置いて帰ったシンデレラが家来の持ってきた靴を履きたいと云った時の台詞ですね」
私は靴下を脱いで床に置く。
「はいてごらんなさい、だれにもためしてみよ、と云われておりますので」
松川先輩は云ってポカンとしている花巻先輩の手の下の靴下をおろす。