第25章 ですぱれぇと!
お気に入りのアーティストの新曲をアラームに目覚める朝。
一一キュンキュン溢れ出る胸のTokimekiバクバク……、
寝覚めは最悪だった。
倒れるように眠ったのに頭がぼんやりしてこめかみ辺りがズキズキ痛む。
曲は二曲目に突入した。
一一跳べるよ、キミなら、私なら
キミとツナガル絶対@度……
明るい飛び跳ねるようなビートを刻む歌は今日の私には不釣り合いだった。
アラームを止めるために枕元のスマホを手に取る。
アラーム画面を素早くフリックしてそのまま電源スイッチを押す。
まだ、一一見たくない。
吐きそうな口に朝ごはんを流すように入れて着替えて家を出る。
もう冬の気配を感じる朝は寒い。
指先が冷たくて。