第22章 好きで嫌い-パンジャ-
「当てる前にイッちゃったねぇ、早く当てないと彼氏戻って来ちゃうかもよ?」
及川先輩が楽しそうに云う。
い、わいずみせんぱい。
どこにいるの?
なんでいないの?
やだ、わたしおかしくなっちゃう。
またながされちゃう。
「あっ、やぁ、やらぁっ」
なのに構わず、と指が又同じ所を撫でる。
優しくしたりひっかくみたいに強くしたり。
「淫乱」
国見くんっ。
違うっ。
違うの。
「ち、ちが、うっもっ」
必死で云うけど欲しがるみたいに指を締め付けているのが自分でも分かった。
「素直じゃないよね、木原は。素直にたくさん欲しいって云えば良いのに」
矢巾先輩が云う。
違うの。
私は矢巾先輩とは違うんだもん。
「ちがっ、ちがうっ、ンッん、あはぁ、違うのっ」
指が、気持ちいい。
中いっぱいくりゅくりゅされて又イッちゃう。
「当てないと終わりませんよ、木原さん」
わたり、せんぱい?
それは脅しですか…心配ですか?
もしこの指があなたのならえげつないよぅ。
誰の指?
さっきからさっぱりしゃべってないトビオちゃんかな?
「木原。大丈夫、か?」
金田一くぅん。
もうよくわからないよぉ。
「飛雄、生きてる?」
「つむぎエロい」
トビオちゃんくん?!
やだもうやだやだ。
「やだぁ、ふぇっふっ、あ、んっ」
涙がちょっとずつこぼれて目隠しに染み込む。
なのに指は止まらない。