第18章 こじらせプリンス
「ふ、ふかこーりょく」
「じゃあ不可抗力しちゃいますか?」
一一もっと。
云ってスカートの裾をつまんで見せる。
「いいから月バリ読ませろっ」
ちぇっ。
影山くんは乗ってこなかった。
ま、お遊びはこれ位にして、……。
「あ、お前さ、化粧してない方が可愛いぞ」
雑誌を読んだまま影山くんがぽそっと云った言葉に今度は私の方が固まった。
こっこっこのっ!
天然さんめっ。
俄然やる気になっちゃったんですからねっ。
まあ、取り敢えず雑誌は読ませてあげますけど。
ほら、何か及川先輩のページにキラキラ目を輝かせちゃって。
ヤデスネー。はぁ。
取り敢えず課題をライティングデスクについてやる。
親は当分帰ってこないから邪魔は入らないし。
しばし黙って影山くんの愉悦タイムを邪魔しないように大人しくしてる。