第18章 こじらせプリンス
何か雑誌コーナーをうろうろする彼にピンときたので声かけました。
「トビオちゃん、月バリ探してます?」
私に声をかけられた影山くんはあからさまに当惑の表情をしていました。
「私です、青葉の血袋のつむぎです」
ほら、と生徒手帳を見せると影山くんは狼狽した。
だよねー。
違いすぎだもん。
「ここ月バリ一冊しか入荷しないです。で、それは私が買いました」
最近私はバレー部の皆さんが御用達のその雑誌を分からないながら読んでいた。
べ、別に及川先輩の特集が組まれてるから日が昇り次第買いに行ったとかじゃないんだからね?!