第17章 弱虫サンドリヨン
「塗ってやる」
岩泉先輩に手を出され、買ってもらったマニュキュアを出す。
窓も側にあるし周りに人いないし良いよね。
岩泉先輩がおっきな手で私のちっさい手を持ってちまちま爪にトップコートを塗っていく。
「岩泉先輩、塗るの上手いですね」
「及川にもたまにやってやるからな」
あ、そうですね。
スポーツ部の方が私達より爪にダメージを受けそうだ。
「すぐ生えてくるっても剥がれたらヤバイからな」
先端だから血が出だすと中々止まらないしね。
「その血を見たら俺らソワソワしちまうしさ」
あー…それは大変そうだ。
及川先輩の指をソワソワ見つめて遂にかぶりつくとか大惨事デスヨネー。
「まあ、アイツの場合オーバーワークで爪もろくなってるしな」
岩泉先輩は及川先輩の事を褒める時何だかとっても嬉しそうだ。
微笑ましいなァ。
仲良きコトは、ですね!