第14章 リミットドール
「俺が最後か」
松川先輩は落ち着いたものだ。
「松川先輩、今日はレッスンありがとうございます。ためになりました」
ペコリと頭を下げる。
「それだけ?」
真剣な目に胸がときめく。
「松川先輩、好きです」
落ち着いていて、隙がなくて、花巻先輩とにこいちのあなたが。
私は沢山恋をしました。
好きな人大切な人がいっぱいできて、
迷って悩みました。
一一オモチャが捨てられるその時に笑えるようにいたいって思いました。
「あの噂結局どうなったのかな」
及川先輩が不意に云う。
私が淫婦だって噂は広まる前に立ち消えた。
噂を広めようと画策した女子達は一斉に口をつぐんだから。