第14章 リミットドール
「ねぇ、俺は?!」
いきなり揺さぶられて私は後頭部をゴツンッとベンチにぶつけた。
「なんですかぁ、おいかー先輩」
私をベンチに再び押し倒したのは及川先輩だ。
目が血走っている。
「俺!俺は?!」
がしがし肩を持って揺すられる。
「あーっ…っと、それは…」
私はいい淀む。
でも、
一一私はもう何も怖くない。
「大好き、です」
口を一回ブラウスの袖でぬぐい及川先輩の頬にキスを投げる。
「好き、好きです、恥ずかしいくらい好き」
素直に云えなかったけど今なら云える。
「及川先輩はかっこいいです、大好き」
私の言葉に及川先輩はぽーっと赤くなっていく。