第10章 リトルディト
「だ、大丈夫ですから、みなさん帰ってください」
つむぎちゃんは何やら口ごもる。
布団で赤い顔を隠そうとしてる姿とか初心で可愛い。
「大丈夫じゃないから倒れたんデショ」
そうだよ、まっつん!
ごもっとも。
「原因はわかってます。あの……だからみなさんのせいじゃありませんので…」
きゅうっと布団を握る小さい手に力が入る。
「飯は食ってるのか」
そうだそうだ、狂犬ちゃんも云ってやって!
「上質のタンパク質を沢山飲みましたから大丈夫です…」
嫌味ちっくな恨みがましい声で云うけど、俺達は飲んでなんて云ってないし。
つむぎちゃんが飲みたがったんだよねぇ…!
「で、さ、何が原因なの?」
国見ちゃんがクールに切り込んだ。
「せ……り」
布団に籠城したまま彼女が何か云う。
「どうしたの?」
俺が聞き返すとつむぎちゃんは耳まで真っ赤な顔を布団から出した。
「生理なんです!一日目だから辛かっただけですから!みなさんみたいな素敵な人が来たら私いじめられてしまいますっ!もう帰って!」
叫ぶつむぎちゃん。